「領収書の保管にかかるコストと手間を効率化したい!」

領収書の原本は経費精算や企業同士の取引などに欠かせない書類です。
法律で保管期間が決まっていることもあり、紙ベースの領収書は保管場所や整理する手間がかかるのが悩みどころですよね。

そのような状況の中、ペーパーレス化の動きにともない1998年7月に「電子帳簿保存法」が施行され、領収書をデータ化して保存すれば原本を破棄することが認められました。
スマホで撮影した画像もデータとして認められるなど、一見便利に思える電子帳簿保存法ですが、いくつか注意するべきポイントがあるのです。

この記事では平成28年に改正された電子帳簿法のポイントや、領収書原本の基本知識までを解説していきます。
今さら聞けない領収書発行の際の原本と控えの関係にも言及し、領収書原本に関する情報を網羅してお届けします。

領収書原本の管理って、時間がかかるし場所は取るしで大変なのよね…。
電子帳簿保存法でデータ管理が可能になったのは知ってるけど、イマイチやり方や要件が分からないし。
そもそも領収書の書き方や保管期間も複雑でわかりづらいし、整理して説明してほしい!
電子帳簿保存法は現在まで数回の改正が行なわれ、より使いやすい制度になっているんですよ!
例えば出先で領収書の原本をスマホで撮影した画像が電子データとして認められるなど、出張の多い従業員にも経理担当にもメリットが大きくなっています。
今回は質問の多い領収書の原本と控えの関係や、電子データの保存期間など私が詳しく解説しましょう!

領収書の原本をデータで管理「電子帳簿保存法」4つのポイント

筆者自身も大手企業で5年間経理を担当していましたが、領収書の原本管理に多くの時間と保管場所をとられて苦労した経験があります。
クラウド精算システムと連動して、領収書をデータ管理する4つのポイントを解説します。

ポイント① 3か月前までに税務署へ申請

領収書の原本を電子化するには、開始予定の3か月前までに税務署へ申請する必要があります。
具体的には国税庁のホームページから申請書をダウンロードして、添付書類と一緒に提出するか送付します。

申請書と詳しい手続き方法は、こちらの国税庁HPに記載があるので参考にしてください。

参考サイト:国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請

ポイント② 平成28年からスマホ撮影のデータも利用可能に

これまでは領収書の原本を読み取るスキャナの要件として「原稿台と一体型に限る」という要件がありましたが、平成28年度の税制改正によりこの要件は廃止されています。

この改正により、外出先で受け取った領収書原本をスマホで読み取るといった利用法が可能になりました。

ポイント③ 領収書データは「タイムスタンプ」が必要

スキャンした領収書データは「タイムスタンプ」と呼ばれる時刻認証を行う必要があります。
撮影後3日以内にタイムスタンプを付することで、データが改ざんされていない証拠となります。

電子データにタイムスタンプを施すには「Dr.経費精算」のように、電子帳簿保存法の要件に対応したシステムを導入する必要があります。

ポイント④ 領収書の原本は定期検査の後に破棄

税務署への申請と電子帳簿保存法に対応したシステムを導入したからといって、領収書の原本をすぐに破棄できるわけではありません。
上記2つの要件と定期的な検査(サンプルチェック)の後に、はじめて原本の破棄が可能となります。

定期検査は社内や税理士等の社外チェックを、最低でも年1回行うこととされています。

領収書は原本提出が原則?今さら聞けない領収書の基本知識

企業で経理を担当していると領収書に関してのルールや基礎知識が必要になる場面が多々ありますよね。
原本提出やコピーの可否など、今さら人に聞けない基本的な知識をご紹介します。

不正を防ぐため領収書コピーは避ける

会社の内部規定にもよりますが、不正等のトラブルを防ぐためにも領収書は原本を提出するようにしましょう。
領収書のコピーだと金銭授受の証明能力が低く、経費の申請や税務調査のときに不正を疑われることも予想されます。

領収書の原本を紛失したときの対応

出張などで移動が多くなると、経費精算に必要な領収書を紛失するケースもあります。
その場合の一般的な対応法2つを解説します。

1. 領収書の再発行を依頼

支払先に事情を説明して領収書原本の再発行を依頼する方法です。
しかし、支払先には再発行の義務はないため、規定により応じてもらえない場合もあるので気を付けましょう。

2. 出金伝票で代用する

会社の規定にもよりますが、領収書の原本に記載があるような日付・支払先名・金額・但し書きなどを出金伝票に記載して代用する方法があります。
手帳などに行ったお店や支払い金額などをメモしておく癖をつけておくと安心ですね

事業形態で異なる領収書原本の保管期間

領収書の原本を電子データとして残しておく場合でも、事業形態により保管期間が定められています。
保管期限の基準日は発行日時ではなく、法人税の申告期限日になります。

  • 法人=7年間の保管が必要

法人税法により7年間の保管が義務付けられています。
2004年までは中小法人が5年間、大法人が7年間とされていましたが、現在は一律で7年間となります。

  • 個人事業主(青色申告)=原則として7年間の保管が必要

原則として法人と同じ7年間の保存期間が必要となりますが、全々年の所得が300万円以下の場合は5年間になります。

  • 個人事業主(白色申告)=5年間の保管が必要

2004年の税制大改革以前は事業所得300万円以下なら、領収書保管義務はありませんでした。
現在は所得に関係なく5年間の保管が必要となります。

領収書原本の控えは必要?発行のポイント

領収書

領収書原本は金銭を支払った証拠として受け取るものですが、金銭の受け取り側(発行側)でも取引の記録を残すために控えを残しておくと安心です。
控え発行の方法とポイントご紹介します。

① 領収書は原本のほかに控えも作成

  • 複写式の場合は書くだけで作成される
  • プリントアウトなどで2部作成する場合は割り印を押す

複写式の領収書は原本を記入すると控えも完成します。
印刷などで同じものを2枚作成するなら割り印を押しておきましょう。

② 書き間違えても破棄しない

書き間違えた領収書の原本は捨てないで残しておくことが大切です。
領収書に連番を付けて管理している場合など、書き損じを破棄することで紛失や不正を疑われる可能性もでてきます。

③ 再発行の際は「再発行分」と記載する

紛失などの理由で再発行を依頼された場合は、領収書の原本と控えに「再発行分」と記載しておきましょう。
相手方や金額、日時が同じ領収書が存在すると、1つの取引で二重に発行したことになるためです。

領収書の原本は電子化して手間と経費を削減しよう

スキャナやスマホで領収書を撮影、電子データとして保存できる便利な制度が「電子帳簿保存法」です。
クラウド精算システム導入等の初期投資は必要ですが、長い目で見ると経費・人件費削減へとつながるでしょう。

経費精算はうまく効率化しないと多大な時間と労力がかかる作業です。
筆者も大手企業の経理部隊として勤務していた頃は、毎月残業が発生したり申告が正しいかを調査したりと苦労した経験があります。

企業の規模に関わらず領収書をデータ管理して原本を破棄することは、保管スペースや作業時間の短縮となります。
クラウド精算システムは旅費精算など他にも便利な機能が多いため、これを機に導入を検討してみるのもいいかもしれませんね。

また、領収書レシートのスマホ自動入力に対応している経費精算システムは下記の記事で紹介しています。

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