「初めての海外出張だ!」と意気込んでいるのも束の間、海外出張にはお金の問題がつきものです。国内出張では遣った金額をそのまま処理するだけでいいのですが、海外出張となると話は変わります。両替したり、為替レートを計算して精算したりとややこしいことだらけです。円にドルにユーロに元・・・。様々な通貨に対してどのように対応したらいいのか分からない、という方も多いのではないでしょうか?

筆者である私も、初めて海外出張に関わった時には、「こっちは円でこっちはドルで・・・」「為替レートを調べて・・・」と非常に手間取りました。

この記事では、海外出張にかかる立替経費精算について解説します。

現地通貨で使用したものは、為替レートを計算して日本円で精算しなければいけません。

とは言え、為替レートは日々変動します。使用日ごとの為替レートを計算して精算するのはかなり大変でしょう。そのため、一般的には以下の方法が用いられます。

・外貨の現金に両替した場合には、その両替時のレートを使用
・クレジットカードを使った場合には、クレジットカードの利用明細に記載されているレートを用いる

いずれにしても、国内出張の精算に比べると業務ストレスがかかることは間違いありません。この記事の中では、海外出張の経費精算を楽にする方法もご紹介します。

海外出張の経費精算を楽にする方法には、下記3つがです。

1.出張前に外貨で仮払金を渡しておき、後日精算する

2.経費支払いをすべてクレジットカードで行う

3.経費精算システムを使用する

海外出張の立替経費精算のやり方が分かりません。現地通貨を使用した経費はどのように扱えばいいですか?
通貨が異なるので煩雑になりがちな海外出張の立替経費精算。ポイントさえ抑えておけば難しくありません。事前に準備しておくことが大事でしょう。

海外出張の立替経費精算に必要なもの

まずは立替経費精算に必要なものを整理します。

前提として、「事前に日本円を現地通貨に両替して、現地通貨を使用」または「クレジットカードで支払いをしている」場合についてお話しします。

必ず必要なもの

・現地の領収証
・外貨両替時の明細書
・クレジットカード利用明細書のコピー(クレジットカード使用の場合のみ)

この3つが必要です。出張に行く担当者には絶対になくさないよう、しつこいくらいに伝えましょう。

領収証がなければ経費の精算はできませんし、両替時の明細書がなければ為替レートが分からず正確に精算することができなくなってしまいます。クレジットカード使用の場合は、利用明細書のコピーをもらいましょう。明細書に為替レートが記載されているはずです。

為替レートを証明する書類がない場合

万一、為替レートを証明する書類を紛失してしまった場合は、経費使用日の主要銀行のTTSを利用するのがいいでしょう。TTSとは、Telegraphic Transfer Selling rateの略で、買い値を指します。銀行が顧客に対して外貨を売る(顧客が銀行から外貨を買う)際に使われる円→外貨の為替レートのことです。

他には、TTB(売値)・TTM(仲値)と呼ばれるものがあります。後ほど解説しますが、これらは海外出張の立替経費精算で使われることはありまません。

ただし、「どうしても証明できない場合にこういった方法もある」というだけです。一番大切なのは両替時の為替レートを証明する書類を保管しておくことです。

海外出張の立替経費精算の流れ

国内出張と海外出張でやり方が大きく異なる、ということはありません。国内出張と異なるのは、為替レートを計算する必要がある、ということくらいです。

領収証を元に、日時・用途・金額を確認し、正しく処理して精算をする。これだけです。

当然のことですが、海外出張の領収証はその国で使用される言語で書かれています。経理担当者も領収証に書かれている事柄は読めるようになっていた方がいいでしょう。

為替レートの計算方法

では、為替レートはどのように算出すればいいのでしょうか。

為替レートの種類

為替レートには以下の3つがあります。

・TTS(Telegraphic Transfer Selling rate=買い値)

…銀行が顧客に対して外貨を売る(顧客が銀行から外貨を買う)際に使われる円→外貨の為替レート

・TTB(Telegraphic Transfer Buying rate=売り値)

…銀行が顧客に対して外貨を買い取る(顧客が銀行に外貨を売る)際に使われる外貨→円の為替レート

・TTM(Telegraphic Transfer Middle rate=仲値)

…銀行が外国為替取引をする際に、顧客に対して基準として用いるレート。銀行が朝9:55ごろのスポットレートを参考に決定する

為替レートと関わる機会が少ないのであれば、完璧に記憶している必要はありません。三種類の概要だけ抑えておけば十分でしょう。先述した通り、海外出張にかかる立替経費精算にはTTSが用いられます。

海外出張経費時の為替レートは?

経理では基本的には発生日ベースで計上していきます。ですから、今回も発生日ベースで計上するべきではあるものの、為替レートは日々変動するものなので、それは極めて煩雑と言えます。

また、出張者も事前に円→外貨に両替しておき、それらを取り崩すという形で経費を使用することがほとんどです。ご自身が海外旅行に行かれる場合も同様かと思います。また、両替には手数料がかかります。単純にその日の為替レートで計算をしてしまうと手数料が反映されず、出張者が損してしまいます。そのため、両替時に発行された計算書を元に、手数料を含んだレートでの精算するのが一般的です。

外貨を日本円に戻す場合も同様です。

万一、外貨両替時の計算書を無くしてしまった場合は、経費使用日のTTSを元に計算します。この時、TTSは日本の主要銀行のものを使用します。会社規定によって定められていることもあるので、その場合は会社規定に従ってください。海外出張に関する会社規定がない場合は、トラブルを防ぐためにも早急に規定を設けた方がいいでしょう。

海外出張の立替経費精算を楽にする3つの方法

精算の流れは国内出張と同様と言えど、どうしても業務ストレスがかかります。海外出張の立替経費精算を楽にする方法をご紹介します。

1.仮払金を外貨で渡しておき、後日精算する

海外出張の頻度が多く、外貨で小口現金を保管しておける企業の場合は、こういった手段を取ることも可能です。

最初から外貨で渡しておけば、レートを気にする必要もありません。仮払金が実際に使用した額を下回ってしまうと、精算時に日本円で返金しなくてはいけないので、仮払金は多めに渡しておくことをおすすめします。

2.現地使用の経費支払いをすべてクレジットカード支払いにする

クレジットカードで支払いをすれば、明細書に何にいくら遣ったのかすぐに分かる上に、当日のレートを考える必要もありません。準備も少ないので急な出張であればこの方法がいいでしょう。カード明細をすぐに確認できない場合は精算が遅れてしまうので、出張者と事前に擦り合わせておきましょう。クレジットカードの引き落としまでに精算ができれば出張者としては問題ないかと思います。

3.経費精算・旅費精システムを導入する

経費精算システムを使用すると、海外出張の経費精算がとても楽になります。

経費精算システムを使った場合、為替レートはシステムにより自動取得されます。わざわざレートを調べる必要はありません。

インターネットが繋がっていればどこでも利用できるのもメリットの一つです。これまでだと日本に帰国したタイミングで所定のフォーマットを使って精算していましたが、世界のどこにいても精算ができます。隙間時間にできるのは出張者としては非常に助かります。

海外出張が多かったり、期間が長かったりすると、書類を保管するのも一苦労です。後から「これは何に使用したお金ですか?」と聞かれても明確に思い出せません。そういったトラブルを防ぐのにも有効と言えるでしょう。

海外出張だけでなく国内出張の経費精算はもちろん、細々した立替金の精算にも経費精算システムは価値を発揮します。経費精算に時間がかかっているのであれば、一度検討してみてはいかがでしょうか?

出張に適した出張旅費精算システム導入のメリットやデメリットについてはこちらをご確認ください

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