紙の領収書や国税関係書類が溢れかえっていて、スキャナで取り込んで電子化したいとお考えの方も多いと思います。しかし、なかなか踏み切れない方が多いのではないでしょうか。

その足かせとなっているのがタイムスタンプということも多いと思います。

「タイムスタンプとは、デジタル版の消印のようなもの」で、その時刻にその電子データを保存(入力日)し、以降に不正な改ざんなど、手を加えていない(改ざんの有無)ことを証明するものです。そして、タイムスタンプと電子帳簿保存法との関係は、書類の電子化にあたり法律で定められた要件の1つです。

上場企業の財務部に3年在籍して税務担当をしていた私が、電子帳簿保存法とタイムスタンプについてご説明します。国税関係書類の電子化は常に課題として持っていたため、電子帳簿保存法には心得があり、実務家としての視点も記事に組み込んで行くので是非参考にしてください。

スキャナでの取り込みだけでなくスマートフォンのカメラで撮影したものも対象となっている電子データですが、入力日の特定と改ざんチェックの目的でタイムスタンプが必須となっています。

このタイムスタンプが不一致だった場合は、改ざんとみなされるので注意しましょう。タイムスタンプには様々なステップが存在しているので、その辺りを詳しくご説明していきます。

なんだかとっても難しそうですね…。とはいえ、電子化は急げと言われているのでぜひ詳しく知りたいです
私にお任せください。タイムスタンプや保存の方法など、丁寧にご説明していきますね

タイムスタンプとは?不正改ざんを防ぐ目的がある

改まして「タイムスタンプとは、デジタル版の消印のようなもの」で、その時刻にその電子データを保存(入力日)し、以降に不正な改ざんなど、手を加えていない(改ざんの有無)ことを証明するものです。そして、タイムスタンプと電子帳簿保存法との関係は、書類の電子化にあたり法律で定められた要件の1つです。

では、なぜタイムスタンプがあることで不正改ざんしていないことが証明できるのでしょうか?

それは時刻認証局(TSA:Time-Stamping Authority)が第三者となりタイムスタンプを発行しているからです。したがって、タイムスタンプの付与されている電子書類は、不正改ざんしていないことを証明できます。

タイムスタンプは、以下の2つの役割を用いて不正改ざんを防止しています。

  • 入力日の特定
  • 改ざんの有無を検知する

スキャナ保存とは?スキャナ保存要件についても解説

では実際に、国税関係書類を電子データ化(スキャナ保存)するにあたって必要な要件にはどのようなものがあるのでしょうか。その要件を下記にまとめます。

要電子帳簿保存法で定義された電子データ保存の要件

訂正税務署長の承認
真実性の確保 訂正削除履歴の確保
帳簿との相互関連性の確保
関連書類などの備付け
入力者(または監督者)の 情報の確認
タイムスタンプの付与
可視性の確保 見読可能性の確保
検索機能の確保

国税関係書類を電子化(スキャナ保存)するためには、これらの要件を全て満たさなければなりません。実に手間がかかります。

電子帳簿保存法とは?国税関係書類を電子保存するためのルール

電子帳簿保存法とは、国税関係書類をデジタル形式で保管(電子保存)するためのルールを定めた法律のことです。

電子帳簿保存法では、2つの要件を全て満たす必要があると定められています。要件の詳細については、下記の「スキャナ保存とは?スキャナ保存要件についても解説」でご紹介します。

  • 真実性の確保
  • 可視性の確保

真実性と可視性を確保するために最も複雑で小難しいのが、電子データに「タイムスタンプを付与」することです。ではその「タイムスタンプ」とはどのようなものでしょうか。ご説明していきます。

タイムスタンプの付与順序

紙ではなく電子データで保存することを前提とした法律が「電子帳簿保存法」であることは、上記でご説明した通りです。電子データであるがゆえに便利な反面、データの改ざんが容易にできてしまうという特徴も併せ持ちます。

そこで活躍するのが「タイムスタンプ」です。簡単に改ざんできてしまう電子データに第三者による証明を付加することで、データの信ぴょう性を担保しているのです。

そこまで重要なタイムスタンプですから、付与するための手順も明確に定められていますので、ご紹介しましょう。

タイムスタンプの付与順序について、領収書を例に具体的な付与手順を下記の図で記します。

上記順序の中の①②③④について補足説明しておきます。

まず「① 自書署名のある領収書を準備」この手順で準備する領収書や請求書には、必ず署名があるものでなければなりません。これは「スキャナ保存制度」で義務付けられていますので、無記名のものはNGとなります。注意しましょう。

次に「② 領収書をスキャン・撮影」については、領収書の全体が見えるようにスキャン・撮影を行ってください。

最後に「③ 画像をアプリなどタイムスタンプシステムにアップロード」と「④ タイムスタンプ付与」については、パッケージシステムの規定する手順に沿って実施するようにしましょう。

パッケージシステムの導入については、次項で説明します。

タイムスタンプの導入方法

国税関係書類の電子化に、タイムスタンプが必要なことはわかりました。では、それをどうやって付与すれば良いのかといえば、もっとも簡単な方法がパッケージソフトを導入することです。当然ソフトを使用せずに行うことは可能ですが、その場合発行過程を自分で経る必要があり、とても手間がかかります。

ここでは、スタンプにかかる費用やタイムスタンプの発行過程、おすすめのパッケージソフトをご紹介をしていきます。

導入方法①費用は1000スタンプで8000円

タイムスタンプは、日本データ通信協会というところから「時刻認証業務認定事業者」として認定を受けている業者(タイムスタンプ局)しか扱うことができません

現在は下記7事業者がタイムスタンプ局として認定されています。

  1. アマノタイムスタンプサービス3161
  2. セイコータイムスタンプサービス
  3.  S.T.E.P Time Carve 時刻認証サービス
  4. テラダタイムスタンプサービス
  5. TKCタイムスタンプ
  6. MINDタイムスタンプサービス
  7. サイバーリンクス タイムスタンプサービス

全てのタイムスタンプ局が価格を公表しているわけではなく、詳しくは問い合わせて見積もりを受ける必要があります。

このうち、一部が公開されている「アマノタイムスタンプサービス3161」の料金をご紹介します。公開されているのは「従量制メニュー」のみで、1ヶ月当たりの使用量が少ない事業者向けのプランです。

初期導入費用 アカウント発行費用:¥6,000/アカウント(税抜)
ランニング費用(月々) ■月額基本料金:¥8,000(税抜)

 ※基本料金には、1000スタンプ利用分を含みます。

■アカウント管理費用:¥500/アカウント(税抜)

参考文献:アマノセキュアジャパン/料金体系・費用

もうひとつ「定額制メニュー」もありますが、こちらは初期導入費用に差はないもののランニング費用についてはオープン価格となっています。

上記を参考に、導入を検討してみてください。

導入方法②タイムスタンプの発行過程は3つ

タイムスタンプを発行するには3つのステップを経る必要があります

そのステップは下記の通りです。

上記のようなステップでタイムスタンプを発行することで、電子データの信頼性が保証されます。

ただし、タイムスタンプは複製であることに注意しましょう。

もし原本を紛失してしまった場合は、復元することができません。

 

導入方法③パッケージソフトの導入

次に、そのタイムスタンプに対応している経費精算ソフトを3つご紹介します。

 

タイムスタンプへ対応したソフト① Dr.経費精算

株式会社BearTailが販売する経費精算ソフト「Dr.経費精算」です。これはセイコータイムスタンプサービスと連携しています。

参考文献:Dr.経費精算

電子帳簿保存法の対応としては下記のようなサービスを行なっています。

参考文献:Dr.経費精算/電子帳簿保存対応

価格については個別見積もりが必要なため、公開しておりません。

Dr.経費精算の評判が知りたい方は合わせてこちらの記事もお読みください。

引用元:Dr.経費精算の実際の評判は?事例やメリット、デメリットを解説

タイムスタンプへ対応したソフト② 楽楽精算

株式会社ラクスが販売する経費精算ソフト「楽楽精算」です。これはアマノタイムスタンプサービスと連携しています。

参考文献:公式サイト

 

こちらも詳細な価格は要問い合わせとなっています。

楽々精算の評判が知りたい方は合わせてこちらの記事もお読みください。

引用元:楽楽精算の気になる評判や事例とは?メリットやデメリットを解説

 おすすめソフト③MFクラウド経費

株式会社マネーフォワードが販売する経費精算ソフト「MFクラウド経費」です。

これはアマノタイムスタンプサービスと連携しています。

参考文献:公式サイト

電子帳簿保存法の対応は下記の通りです。

参考文献:電子帳簿保存法の対応|経費精算システム「マネーフォワード クラウド経費」

 

料金プランは、従業員数30名以下の利用についてのみ公開されています。

30名以上については問い合わせが必要です。

参考文献:料金プラン|経費精算システム「マネーフォワード クラウド経費」

 

各種オプション料金については下記の通りです。

参考文献:料金プラン|経費精算システム「マネーフォワード クラウド経費」

 

スタンプの付与は日数に注意

タイムスタンプの付与はいつでも良いわけではなく、日数が定められています。

その内容について、ご説明いたします。

3日以内にタイムスタンプは付与させなければならない

タイムスタンプは、下記の順序で発行されます。

  1. タイムスタンプの要求
  2. 発行
  3. 検証

このうち、「1.タイムスタンプの要求」と「2.発行」を行うためには、利用者から「原本のハッシュ値」をタイムスタンプ局に送付する必要があります。

「原本のハッシュ値」とは、電子文書の指紋に相当する重要な情報です。

タイムスタンプ局は受け取ったハッシュ値に対して、タイムスタンプをを付与した上で利用者に返送する仕組みになっています。ちなみに、「3.検証」は、原本データのハッシュ値とタイムスタンプのハッシュ値の比較を行い、一致してるかどうかを確認しています。

この流れを、3日以内に完了させる必要があるのです。

監査が終わるまでは紙の書類も保管

書類がデータ化されたからといって、原本をすぐに廃棄するのはNGです。

データ化された領収書などは、最低でも年に1回の定期監査が行われます。

その際、画像データと元本を見比べて確認する必要があるのです。監査が完了すれば原本の破棄は可能ですが、それまでは紙の書類(原本)を大切に保管しておきましょう。

 

まとめ

紙ベースから電子データになるだけで、保管する場所の問題や安全性が格段に上がります。仕組みとしては少し複雑に感じるかもしれませんが、適切なシステムを導入することで、それらを簡単に処理できます。積極的に活用していきましょう。

安全面や質の面でも向上する電子データ化への乗り換えを、ぜひご検討ください。

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