経費処理に必要な領収書やレシートを無くしてしまった経験はありますか?

もし、あなたが経理担当者なら直面する場面がよくあることでしょう。特に、交通費などでは起こりやすいかもしれません。

経費精算において、業務上必要で支払った費用に対する領収書やレシートは必須の書類です。ここでは、曖昧に理解している人も多い、交通費精算における領収書の重要性や領収書を無くしてしまった場合にどうすればいいのかについて、解説していきます。

経理課
新幹線に乗ったのに領収書をもらい忘れたと言われたのですがどうすればいいでしょうか?
専門家
それは困りましたね。私は上場企業の経理部に3年在籍した経験を持っています。監査法人や税務署との対応をしていたこともあり、領収書の必要な合理的な理由を知り尽くしています。対処方法はありますのでご安心ください。

経費の精算には領収書が原則必要

経費の精算をするためには、領収書が必要です。

本来、領収書は「金銭を支払った」という根拠を示すためであり、税法上で領収書は「金銭または有価証券の受理を証明するために作られた受取書」という位置付けになります。つまり、本来の目的である「金銭を支払った」事実さえ証明できれば、レシートでも問題はありません。

「金銭を支払った」事実を証明するために、必要な要件は以下の4つです。

  1. 取引を行なった日時(年月日)
  2. 取引した相手の店名や名称
  3. 取引で支払った金額
  4. 取引した品物の名前

また、4つの要件に加えて、下記のような記載があることで金銭の授受をより強固に確認することができます。しかし、これら4つの記載はなくても構いません。

  • 受領
  • 代済
  • 相済

領収書はないけどレシートはある。レシートでも構わない理由

レシートも領収書と同様に経費精算では有効です。

なぜなら、領収書と同様に、必要情報(金額・日付・明細)が明記されていることから、「お金を払ったこと」の根拠を示してくれるからです。

そして、領収書より信頼性が高いのはレシートの方だとも言われています。領収書には一般的に金額と店舗名しか記載されていませんが、レシートにはどういう品物をどこでいつ購入したかが詳細に記載されているためです。

しかし、そこには注意点もあります。

レシートは感熱紙に印字していることから、時間の経過とともに印字された文字が消えてしまうことがあります。そのため、税務署が調査に入ってきた時に印字されている文字がきてえてしまっている可能性があります。したがって、レシートより領収書の方が、長期保存の面から証明書として優れています。

レシートの保管方法の一例

レシートの保管方法の一例としてご紹介です。

レシートを封筒に入れて、日が当たらない引き出しの中に保管するだけで文字が消失を抑えられます。外気と日光には、できるだけ晒さないように保管してみてください。

領収書やレシートを紛失!まだ経費にできる可能性がある

経費精算で領収書やレシートが必要なことはわかりましたが、紛失してしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。その対処法としては、下記の3つが挙げられます。

  1. 領収書やレシートの再発行を依頼
  2. 振込明細などの第3者が発行した書類を利用
  3. 紛失明細を利用

私の在籍していた会社でも、営業部から「領収書もレシートもない!」といった問い合わせが頻繁にありました。既にあなたの会社に経理規定があり、領収書やレシートを紛失した場合の対処方法があればそれを参考にしてください。一方で、経理規定がない場合、上の対処法を参考にしてください。

それでは、それぞれについて、ご説明していきます。

方法①領収書やレシートの再発行を依頼

領収書やレシートは、相手先がその事実を証明してくれる重要で客観的な証拠です。

もし、「領収書やレシートを紛失した」という問い合わせがきたら、まずは領収書の発行元である取引先や店舗に連絡して、再発行を依頼しましょう。領収書を発行する会社によりますが、再発行はまず拒否されることはありません。しかし、印紙代がかかるような場合は、拒否されることもあるので覚えておきましょう。なお、印紙代とは、支払金額が5万円以上になる場合、発行先が領収書へ添付しなければならない税金です

民法上の領収書の再発行

民法上では、支払者から求められたら領収書を発行するという義務はあります。しかし、発行者が「再発行に応じる」という義務はありません。

すなわち、法的な拘束力はないので、言動が高圧的にならないように注意しておきましょう。

方法②振込明細などの第3者が発行した書類を利用

再発行できない場合、次に考えるのが領収書の代わりになるものを用意することです。

例えば、下記のようなものが領収書代わりとして有効になります。

  • クレジットカードの利用明細
  • ATMの振込明細
  • 通帳記録
  • ネット通販の購入確認メール

これらは支払者と受領者とは異なる第3者が、その取引を間接的に証明した書類です。利用明細などは印字されデータも残っているため、領収書の代わりとして支払いを証明できる書類です。再発行を依頼した取引先や店舗よっては、領収書の再発行ではなく、購入証明書や支払証明書を発行することもあります。有料となる場合もあるので覚えておきましょう。

また、領収書があっても他の機関が発行した支払証明を残しておくといい場合があります。決裁記録や購入確認メールを含むやり取りなどの文書も一緒に保管しておくことで、支払いが証明できることもあります

高額な支払いは税務調査でも確認が徹底され、その時にクレジットカードの利用明細などを提示することで問題を回避できる可能性があります。高額な取引ほど複数の証拠取引を残しておくことをおすすめします。

方法③支払明細書(紛失明細)を利用

方法①や方法②を利用しても、どうしても数字の裏付けをする書類が手に入らないことがあります。そんな時は以下のダウンロードリンクから支払明細書をご利用ください。

支払証明書 - 支払証明書1枚

支払証明書 - 支払証明書6枚

注意点として、支払明細書があるからと言って必ず経費として税務署から認められる訳ではないということです。しかし、領収書を紛失し、何もしなかったら経費としては認められません。したがって、支払明細書を利用する際は、藁にもすがる気持ちでご利用ください。

交通費には領収書が原則必要!しかし、いらない場合も

経費の領収書は原則として領収書が必要ですが、会社によっては交通費の領収書が必要ない場合があります従業員は、業務上必要になって電車に乗り、そこで支払ったお金は、交通費として会社の経費とすることができます。そこで領収書が必要になります。

しかし、日々発生する少額の電車賃に対して、いちいち領収書を発行していてはキリがありませんし、業務が滞る原因にもなります。そのため交通費の精算には領収書の提出が不要ということを社内規定で定めている会社が多くあります。

この社内規定は、少額の電車賃に対し、「経費精算書」という書類に下記の内容を記載して提出することで領収書の代わりとし、交通費の精算を行うのが一般的です。

  • 日付
  • 金額
  • 乗車区間

経費精算書で対応できる電車賃には制限があり、それは以下の通りです。

  • 支払額が30,000円未満の場合
  • 支払額が30,000円以上であっても、やむを得ない理由がある場合など

この制限は消費税法上で定められていて、30,000円以上の交通費に当てはまる場合は、領収書が必要になりますそのため、新幹線や飛行機を利用した場合は必須でしょう。したがって、次に、新幹線を例にご説明していきましょう。

新幹線の領収書は必要!その理由は

新幹線については領収書が必要だと定めている会社が多いです。なぜなら、消費税法30,000円以上の交通費に当てはまる場合は、領収書が必要になるからです。例えば、新幹線や飛行機を利用して料金が30,000円以上になることは、頻繁にあります。実際、東京駅〜博多駅まで新幹線のぞみを使って移動した場合、片道で23,390円かかるため、往復するだけで46,780円となります。

会社では、いくら以上の交通費に対して領収書の提出が必要になるかを社内規定で定めていることが一般的です。しかし、領収書の不要な金額だとしても、新幹線や飛行機を利用した時は高額になることが多いので、領収書を発行し、保管しておくことに越したことはないでしょう。

安心しないで!領収書がない場合は経費として認められない場合も

領収書やレシートを無くした場合の対処法などをご説明してきましたが、これはあくまでもイレギュラー対応であって、「なくてもいいもの」ではありません

領収書やレシートは経費精算において必須ですし、もしなければ使途不明金として損金にならない恐れもあります。

交通費を例にあげると、交通費として領収書を省きたいのであれば、社内の経理規定にしっかりと明示しておきましょう。出金伝票や支払明細書を作成していても、経費として認められない場合があるくらいなので、領収書やレシートといった根拠性の高い書類は絶対になくさないことを心がけてください。

税務調査の時に「この会社は経理管理がずさんだ」と思われてしまえば、余計な詮索をされてしまいかねません。領収書やレシート必ず保存するようにしましょう

まとめ

交通費の経費精算は難しいようでシンプルなものです。

しかし、その全ての基本となる考え方である領収書やレシートは原則として必須ということを念頭に行動するようにしていれば大きな問題は回避できる可能性が上がることでしょう。

基本的に仕事で必要になった費用は全て領収書やレシートをもらっておくことを心がけておいてください。

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