経費精算の規定作成方法はご存知ですか?
不要なトラブルを避けるために、作っておかなくてはいけないことはわかっていても、いざ作るとなると悩んでしまいますよね。

経費精算の規定を作成する際には、交際費規定・交通費規定・出張旅費規定などの各論もしっかり抑えておく必要があります。
この記事では、上記の各論も含め、経費精算の規定作成ポイントを解説します。

経理課
上司から、トラブルを避けるために、うちの会社でもすぐに経費精算規定を作るよう指示がありました。でも、初めてでフォーマットも見つからないですし、何から始めれば良いやら
専門家
そんな疑問に私がお答えします!経費精算規定制定の重要性をわかっていても、フォーマットが見つからなければ、何から規定すべきか検討がつかないですよね。

そこで私が経費精算の規定作成ポイントを解説します!

経費精算規定とは?

そもそも経費精算規定とはどういったものでしょうか。経費精算規定は社内規定の一つです。社内規則といえば、他に人事規則や就業規則で聞き馴染みがありますよね。

経費精算規定では、その企業にとっての「経費」がどのような扱いかを定義し、その精算手順ルールを文章で明文化したものです。

経費精算の規定作成が必要な4つの理由

経費精算の規定作成は不正受給や無駄な経費を削減するためにも非常に重要です。4つの理由を紹介いたします。

理由①無駄な経費を削減、不正受給・法的リスクを回避

経費とは本来その会社にとって「必要」なものにだけ使われるべきです。しかし、決まりがなければ業務外のことに使われ使われたり、必要以上の額を使われる恐れがありますよね。

経費精算規定を作成することで、無駄遣いや過剰な使用を減らし、経費の削減を図ることができます。

また、しっかり規定がされていないと、常識的に考えてダメなことでも自己の利益のために平気で申請してくる社員が現れるかもしれません。最終的に不正受給となりますし、法的リスクも発生しますよね。規定を策定することは従業員に申請範囲や申請内容を逸脱させないようにする役割もあるのです。

理由②節税対策

企業にとって、節税は重要ですよね。交際費規定や出張旅費規定を定めることが節税対策にもつながるのです。

まず、交際費についてですが、接待交際費は法人税の課税対象になります。しかし、その内飲食に関する費用は一部非課税扱いになるのです。この制度を活用するためには、規定作成が不可欠です。

また、出張旅費規定についても、節税対策が絡みます。皆さんも、出張した際に「出張手当」なるものを受け取ったことがあるはずです。この出張手当は、給与と異なり、出張旅費規定に基づいて支払われた場合に所得税の課税対象外になります。

会社にとっても、従業員にとっても、経費精算規定が節税対策として重要なことがわかりますね。

理由③不公平感の解消

規定がなければ、申請先の経理担当者によって承認されるかが変わる恐れがあります。また、経理担当者が違和感を感じる経費申請であっても、自分より役職が上であれば、突っぱねにくいということも起こり得ますよね。そこで、規定があれば承認・否認の根拠が明確ですので、経理担当者・申請者によって承認結果が異なることを防げます。

理由④経理の負担削減

経理担当者は、都度経費申請が適切か判断しなくてはならないので、経費処理に関する負担はかなり大きいです。しかし、規定があれば、申請者も自分で一度規定を読んでから申請するので、経理担当者も判断負担が軽減されますし、従業員からの問い合わせに悩まされることも減るでしょう。

経費精算規定の6つのポイント

規定を作る際には、まず大枠となる経費精算規定の基本的ルールを定めましょう。その際に主に必要となるのは、以下の6点です。

①経費の基準を設定

そもそも、何が経費として認められるかを決めないと、その都度経理担当者に問い合わせが来てしまいます。最初にこの方針を社内で決めておきましょう。また、一度に申請できる上限金額の制定も必要です。

②自己決裁の禁止

不正請求は決裁権限がある人物が自分の申請を承認してしまうことで起こり得ます。そこで、例え決裁があろうとも、自らの申請には他の決裁者の承認が必要としなくてはなりません。

その際に、自分の部下であれば言うなりで決裁してしまう恐れもあるので、出来るだけ同席あるいは上席に承認をもらう仕組みにしておくのが良いでしょう。

③期限の設定

経費は通常業務と比べると重要度を下げられがちです。特に営業部隊の人にとっては、外回りで忙しく、経費まで手が回らず後回しになってしまいますよね。しかし、先送りにするとエビデンスとなる領収証を紛失したり、その時の状況把握が難しくなってしまいます。

このことが原因で申請者と経理担当者との間でトラブルになる事例も多いので、早めの申請を促すよう、申請期限を設定しておかなくてはなりません。

④領収証がない場合の代替処理

経理担当者にある問い合わせで多いのが、「領収証を無くしてしまった」、「領収証をもらい忘れた」と言ったことです。領収証をもらうことが第一原則ですが、交通費など領収証の取得が困難な事柄もありますので、あらかじめ領収証がない場合の処理方法を規定しておきましょう。

⑤例外の禁止

もし、例外を一度でも認めてしまうと、「なぜこの前は良かったのに」、「なぜ営業課のあいつは良いんだ」と言ったことを言いだす人が出てきて、規定が形骸化してしまいます。必ず例外は認めないようにしましょう。

⑥フォーマットの用意

報告書の書式を事前に作成しておけば、申請者の記入漏れ・ミスを減らすことができます。規定と同様に重要なものになりますので、必ず用意しておきましょう。

出張旅費規定の6つのポイント

出張旅費規定は税金も絡んでくるので、非常に重要です。宿泊費、交通費、日当を意識しながら出張旅費規定を制定しましょう。

①出張の定義

出張の定義を明確にしておかないと、通常の外回りで少し遠くに行った時にどうするか申請者が困惑するでしょう。ですので、「片道◯km以上の移動を伴う業務」のように明確化する必要があります。また、宿泊を必要とするかによって、分けることが多いです。

②日当と宿泊費の金額

日当と宿泊費は定額にすることができます。定額支給にする際は、役職毎に支払金額を予め記載しておきましょう。

③食事代

食事代を別途支給する場合と、日当に含めると言う考え方があります。自社ではどのような扱いにするのか、規定しておきましょう。

④仮払い規定

出張費は他の経費支出に比べ、従業員が立て替えするには大きい金額になることもあります。予め仮払いの条件を規定しておく必要があります。

⑤出張手続の作成

出張前に事前に出張申請し、承認を受け、出張後は速やかに旅費精算書を提出するように規定しておきましょう。

⑥出張時のトラブル

止むを得ず、急遽出張期間を延長する必要が出ることもありますよね。このような出張時に起こりうる項目についての処理を予め規定する必要があります。

交通費規定のポイント

移動には、車・飛行機・鉄道など様々な手段が利用されますよね。ここでは、それぞれの注意点を解説していきます。

①鉄道、バス

鉄道やバスでは、領収証の申受けが困難です。それゆえ、利用駅を元に料金を算出することになります。場所によっては、経路が何パターンかある場合があります。その際、実際は最安値で移動しながら、申請は高い料金とされる可能性がありますね。そこで最安値経路で移動した場合の料金を支給することを明記しておく必要があります。

②特急券、飛行機、船舶

特急券や飛行機はシートによって料金が異なりますね。一律にエコノミーにしてしまうと、社長もエコノミークラスにさせてしまいますし、逆に自由にして一般社員にビジネスクラスの申請をされるのも困ります。そこで、役職による取得可能クラスを明記しておく必要があります。

③タクシー

簡単にタクシーを利用して、経費申請をされても困りますよね。公共交通機関がない場合、「最寄駅から目的地まで◯km以上離れている場合に可能」などと明記するのが良いでしょう。

④自家用車、社用車

車の場合は、移動距離でガソリン代を支給することが多いです。また、高速道路利用の扱いをどうするのかも決めておいた方が良いですね。

交際費規定のポイント

接待交際費は、費用対効果が見えにくく、当事者以外からは無駄な支出に思われることもあります。また、税務上の扱いも考えなくてはならないので、しっかりと規定を作成する必要があります。

①上限金額

不必要な支出を避けるため、部署や役職毎に接待交際費の支出上限を設定する必要があります。

②詳細な報告書

上述した通り、接待交際費が飲食費であれば、金額に応じて非課税となります。以下で整理しておきましょう。

飲食費or接待費 一人あたりの金額 扱い
飲食費 5,000円以下 全額非課税
飲食費 5,000円を超える 半額非課税
接待費

-

全額課税(全額非課税)

ただし、5,000円以下であればすべて認められるわけではなく、以下の5つの項目が必要になります。

  • 飲食年月日
  • 金額、飲食店の名称と所在地
  • 参加人数
  • 参加した相手先企業名と氏名
  • その他参考事項

申請者はこの事項を把握していない可能性がありますので、しっかりと規定し、書式も反映したものを用意しておくようにしましょう。

まとめ

以上、経費精算規定の作成ポイントを解説してきました。慣れないうちは大変な作業になるかもしれませんが、不要なトラブルを避けるためにも必要な処理です。規定を作ることで、自分自身も理解が深まり、申請者への説明もスムーズにできるようになるはずです。

ポイントを抑えながら、まずは案を作り、社内で打ち合わせしてみてください。

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